トレーディングカード(通称トレカ)とは、様々な絵柄や写真が印刷された鑑賞用又はゲーム用のカードであり、単に収集・交換するためだけでなく、投資の対象にもなるとされています。一般社団法人日本玩具協会の発表によれば、「2023年度に玩具市場が初めて1兆円を超えた最大の要因は、前年より425億円売り上げを伸ばし、今や2,774億円市場となったカードゲーム・トレーディングカードで、市場全体の27.2%を占めるようになりました。」とのことであり、トレーディングカード市場が急速に成長していることがうかがえます。
<一般社団法人日本玩具協会の資料より引用>
玩具市場規模データ
https://www.toys.or.jp/toukei_siryou_data.html
ところで、2025年2月、偽物のトレーディングカードを中古品買い取り業者に売却したなどとして、詐欺と商標法違反の疑いで男性が逮捕されたというニュースがありました。いまや玩具メーカー以外の企業でも、自社商標の対象商品としてトレーディングカードを指定するケースが見られますが、商標審査基準上、ゲーム用のトレーディングカードの場合は第28類に分類され、ゲーム用以外のトレーディングカードの場合は第16類に分類されます。
一方、近年では、NFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)の技術を利用したデジタルデータとしてのトレーディングカードも登場しており、この場合は第9類に分類されます。すなわち、従来からある紙のカードやプラスチックケースに入ったカードではなく、インターネット上で扱われる画像ファイルであり、その場合、「非代替性トークン(NFT)により認証されたデジタルトレーディングカードを表示するためのダウンロード可能な画像ファイル」といった商品表示になります。
急拡大を続けるトレーディングカード市場では、今後、NFTの技術を利用した偽造・改ざん不能なデジタルデータとしてのトレーディングカードが主流になっていくのかもしれません。