この所、介護系の発明に関してのご依頼を数件頂きました。この分野での発明が沢山出てきて欲しいと思うのですが、介護の分野で独占権である特許権を取ることに抵抗を感じる方は多いのではないでしょうか。それは、特許制度に対する誤解が原因です。
介護の分野の技術について、発明競争、すなわち開発競争をすることと、薬や自動車などを代表とする産業の世界で開発競争が行われることと意味の違いは有りません。薬の開発競争において最終的に恩恵の享受者が患者であること、自動車の開発競争で最終的に恩恵を享受するのがユーザーであることと同じです。例えば、自動車の安全性向上についての技術開発競争の結果、交通事故死の数が減少していることなどは分かり易い例でしょう。特許を取得した企業がそれを独占し、利益を上げることも勿論ですが、特許制度の最終目的は、その技術の恩恵が国民に及ぶようにしてその幸せを確保することなのです。
これから益々顕著になっていく高齢者社会において、車椅子やベッドでの介護などで用いられる種々の器具、道具、更には介護スタッフの方の労力軽減のためのアイデアなど、まだまだこの分野の技術は未開発と言えます。
若い方々は、この分野でどんどん新たなアイデアを出して起業して欲しいと思います。重要なビジネスエリアになるでしょうし、何より、老人などの弱者を救うことにもなるのです。