国際意匠分類(ロカルノ分類)第15版の発効

2025年1月1日より、国際意匠分類(ロカルノ分類)の新しい版(第15版)が発効します。国際意匠分類(ロカルノ分類)とは、意匠の国際分類を定めるロカルノ協定に基づき、同協定を締結した同盟国が発行する意匠登録のための公文書に表示される共通の意匠分類です(我が国では2014年9月24日に発効)。

国際意匠分類の取扱いについては、同盟国に一定の裁量権が認められており、我が国では、意匠の国際登録に関するハーグ協定(ジュネーブ改正協定)が発効した2015年5月13日以降に出願された意匠登録出願及び国際意匠登録出願に対し、日本意匠分類とともに国際意匠分類が付与され、意匠公報に表示されることになっています。ただし、我が国では、国際意匠分類を意匠の管理及び検索のための手段としてのみ使用しており、意匠の類似範囲を定める手段としては使用していません。なお、日本意匠分類と国際意匠分類の主な特徴は以下の通りです。

〇日本意匠分類

特許庁の意匠審査におけるサーチや外部の利用者による意匠調査の検索ツールとして設けられたもので、物品等の用途に主眼をおきつつ、必要に応じて機能等の概念を用いて分類されたものです。また、日本意匠分類を形態等の特徴で更に細分化したDタームも存在します。日本意匠分類は、グループ→大分類→小分類の順に構成されており、小分類より下位にDタームが付される場合があります。全ての物品に対して、1件につき1分類が付されることになっています。

例えば、「空気清浄機」であれば「D4-340」が付与されますが、このうち、グループが「D」、大分類が「4」、小分類が「340」です。仮に、天井,壁,窓取付け型であれば、Dタームとして末尾に「A」が付いた「D4-340A」が付与され、喫煙スペース用型であれば、Dタームとして末尾に「B」が付いた「D4-340B」が付与されます。

<特許庁資料より引用>

日本意匠分類関連情報

https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/bunrui/isyou_bunrui/index.html

〇国際意匠分類

世界知的所有権機関(WIPO)の国際事務局が管理・運営を行うロカルノ協定に基づき定められたものです。国際意匠分類は、クラス→サブクラスの順に構成され、日本意匠分類と同様、1件につき1分類が付与されます。日本意匠分類よりも分類肢の数が少ないのが特徴です。

例えば、空気清浄機であれば「23-04」が付与され、このうち、クラスが「23」で、サブクラスが「04」です。

<空気清浄機の意匠の例>

登録番号:意匠登録第1767337号

日本意匠分類:D4-340

Dターム:D4-340B

国際意匠分類:23-04

意匠分類は調査の際に必要不可欠な要素であり、正しい分類を知ることで、より的確な意匠出願の戦略を立てることが可能となります。