情報提供制度

特許庁が実施している情報提供制度とは、出願された内容に拒絶理由があることを審査官に知らせる制度であり、所定の書式に刊行物等の証拠物件を添付して提出することにより行います。

特許庁の発表によれば、特許の情報提供件数は年間5,000件前後で推移しており、情報提供を受けた案件の約70%において情報提供された文献等を拒絶理由通知中で引用文献等として利用しているとのことです(令和6年9月~11月に拒絶理由が通知された特許出願案件100件をサンプル調査)。

<特許庁資料より引用>

情報提供制度

https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/johotekyo/index.html

書類による提出だけでなく、PDF 形式の書類をオンライン提出(電子特殊申請)することも可能です。提出された刊行物等は閲覧の対象となり、閲覧請求があった場合には、原則誰でも閲覧することができます。匿名で行うことも可能ですが、その場合、審査官からのフィードバックを求めることはできません。

情報提供制度は、特許・実用新案・意匠・商標の四法に共通する制度であり、有益な情報を提供することで、迅速かつ的確な審査につながることが期待できます。なお、特許・実用新案・意匠では権利付与後の情報提供も受け付けているのに対し、商標では権利付与前の情報提供のみが可能となっています。※商標登録後には、別途、異議申立や無効審判の請求により、権利の有効性について争うことになります。