ファーストアクション(FA)期間とは、審査官による審査結果の最初の通知(主に、特許・登録査定又は拒絶理由通知書)が出願人等に発送されるまでの期間を言い、特許であれば出願審査請求から、意匠・商標であれば出願から起算した期間となります。
以下は、特許庁が2024年に公表したFA期間の過去3年間の平均値です。ただし、FA期間は出願状況や実際の審査着手状況に応じて刻々と変化するものであり、当然のことながら出願案件ごとに相違します。特に以下の表にある2021年から2023年は、コロナ禍という特殊な社会情勢もあり、その点を踏まえて評価する必要があります。
【審査期間】

<特許庁資料より引用>
『特許行政年次報告書2024年版』
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2024/document/index/020201.pdf
ところで、クライアントからは、権利が取れるまでにどれくらいかかるか?という問い合わせを受けることがよくあります。ここで、商標を例に挙げますと、特許庁が約4か月ごとに更新している以下の「商標審査着手状況(審査未着手案件)」を参照して、登録査定まで(拒絶理由が通知されない場合)の大まかな目安をお伝えするようにしています。
【商標審査着手状況(審査未着手案件)】

<特許庁資料より引用>
商標審査着手状況(審査未着手案件)
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/status/cyakusyu.html
また、拒絶理由が通知されたケースにおいて、応答後の審査着手予定時期を把握する必要がある場合は、「審査状況伺書」を提出して確認するようにしています。
出願人からすれば、一日も早く審査結果を知り、安心して実施・使用したいというニーズがありますが、逆に、第三者からすれば、情報提供制度(出願された内容に拒絶理由があることを審査官に伝える制度)を利用した刊行物等提出書の準備期間を確保したいというニーズがあり、さらに、特許庁からしても、早期に審査結果を出すことにより、海外から日本を指定して入ってきた(先願の)出願と前後して、過誤登録が生じてしまうリスクや、取下げ・放棄予定案件とのすれ違い審査を回避したいという実情もあると思われ、一概に、審査期間の短縮化が望ましいとは言えないのかもしれません。