知的財産侵害物品の差し止め状況

2025年になってまだひと月も経たないうちに、すでに何件もの有名ブランドの模倣品(ニセモノ)の摘発に関するニュースを目にします。例えば、化粧品大手「資生堂」の人気ブランドの模造品を通販サイトで売った容疑により逮捕された事例、ファッションブランド「アニエスベー」などのコピー品を不正に輸入しようとしたとして税関に告発された事例、高級ブランドの「プラダ」や「ルイ・ヴィトン」のバッグなどのニセモノを販売目的で所持した疑いにより逮捕された事例等々。

なお、知的財産侵害物品の輸入については税関によって取り締まりが行われますが、財務省の発表によれば、昨年2024年上半期の税関における輸入差止件数は18,153件(前年同期比16.2%増)、輸入差止点数は729,549点(前年同期比5.6%増)で、1日平均99件、4,008点もの知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになるそうです。

このうち、輸入差し止め件数で見た場合、偽ブランド品などの商標権侵害物品が17,334件(構成比94.5%、前年同期比15.2%増)で引き続き全体の大半を占め、次いで偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品が685件(同3.7%、同82.2%増)となっており、商標権侵害に係る件数が圧倒的多数を占めていることがわかります。

<財務省資料より引用>

令和6年上半期の税関における知的財産侵害物品の差止状況(詳細)

https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2024_1/20240906a.html

商標権は更新を繰り返すことにより半永久的に存続する権利ですが、有名ブランドに関しては、その顧客吸引力と相俟って、繰り返し侵害行為が行われる現状があります。絶えず市場を監視し、自社の権利を侵害する商品やサービスを発見した場合には、法的措置を講じることを続けていく必要があります。