連日、MLB日本開幕戦に関するニュースが報じられるなか、ドジャースの偽の帽子を販売目的で所持したとして、衣料品販売店の経営者らが商標法違反の容疑で逮捕されたというニュースがありました。原宿・竹下通りに面している同店で「偽物を買わされた」とする修学旅行生から相談を受けた警察が店内を捜索し、偽ブランド品とみられる帽子や衣類など約550点を押収したとのことです。
商標法上、「指定商品又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品であって、その商品又はその商品の包装に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為」(第37条第1項第2号)は、本来的な侵害の直前の予備行為として、商標権侵害とみなされます。簡単にまとめると以下の通りです。
・指定商品 or 指定商品・指定役務の類似商品であって、
・その商品 or その包装に、
・登録商標 or 類似商標を付したものを、
・譲渡 or 引渡 or 輸出のために、
・ 所持する行為
※間接侵害については弊所Blog(2025年2月13日更新)もご参照下さい。
なお、今年3月上旬に財務省が公表した資料によれば、2024年の一年間に全国の税関が輸入差し止めを行った知的財産侵害物品のなかでも、件数ベースでは衣類が最も多く全体の31.1%を占め、次いで、財布やハンドバッグなどのバッグ類が19.3%、靴類が11.2%となっています。

<財務省資料より引用> 令和6年の税関における知的財産侵害物品の差止状況(詳細)
https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2024/20250307a.html
ネット通販などでも、衣料品に関する偽ブランド品を販売する事件は後を絶ちませんが、偽物を購入してしまうことを防ぐには、やはり正規販売店や公式オンラインショップでの購入が安心・安全と言えます。