我が国の商標法では、登録の信頼性を高めることを目的として、何人も商標掲載公報発行の日から2月以内に異議を申し立て、商標登録出願に関する処分の見直しを図ることができる旨が規定されています。
我が国の現行法では、権利付与後に申し立てる制度になっていますが、諸外国においては、権利付与前に申し立てる制度となっている国が多く、例えば、付与前異議申立制度を採用している国としては、米国、EUIPO、英国、フランス、イタリア、スペイン、中国、韓国、ブラジル、インド、メキシコなどが挙げられます。なお、申立可能期間は国によって異なります。
ところで、付与前異議申立制度を採用している韓国では、申立期間が2か月と定められていますが、今般の法改正により30日に短縮されるとのことです。この申立期間の短縮を含む商標法の改正案は2024年12月27日に可決され、2025年7月に施行される予定とのことです。異議申立期間の短縮により、韓国では商標出願の全体的な審査期間が短縮されることが期待されており、審査プロセスの迅速化が見込まれ、出願人がよりスピーディーに権利を確保できるようになると考えられます。
<諸外国における商標の異議申立制度(付与前・付与後別)と申立期間>
米国:付与前異議/30日
EUIPO:付与前異議/3か月
英国:付与前異議/2か月
ドイツ:付与後異議/3か月
フランス:付与前異議/2か月
イタリア:付与前異議/3か月
スペイン:付与前異議/2か月
スイス:付与後異議/3か月
中国:付与前異議/3か月
ブラジル:付与前異議/60日
インド:付与前異議/4か月
メキシコ:付与前異議/1か月