商標の国際登録制度(マドリッド制度)では、各指定国の国内法に基づき保護が認められるか否かの実体審査が行われ、指定国がWIPOから通報を受けた日から12カ月以内(議定書第5条(2)(b)に基づく宣言をしている国は18カ月以内)に拒絶理由が発見されない場合、保護認容声明が送付されます。
ここで、各指定国において保護された(登録された)ことを確認する手段としては、WIPOのMadrid Monitorの「Designation Status」をチェックする方法があります(各指定国のStatusの欄に「Protection granted」と表示されます)。
他方、登録されたことの証(あかし)とも言える商標登録証の発行は条約上の義務ではないため、国ごとに運用が異なり、自動的に発行する国、発行しない国、請求により発行する国など様々です。
締約国の一つであるタイでは、これまで、現地代理人が存在する場合に限り、タイ知的財産局から現地代理人に紙媒体の商標登録証が送付され、現地代理人が存在しない場合には商標登録証が発行されないという問題が生じていたところ、今年8月に運用が改正され、現地代理人の有無にかかわらず、出願人は電子商標登録証にアクセス可能になったとのことです(今後、タイでは、マドプロにおける商標登録証については、紙媒体での発行は行われないとのことです)。
<JETRO 知財ニュースより> タイ知的財産局(DIP)におけるマドリッド協定に基づく商標登録証の電子化について
因みに、指定国としての日本では、商標権者(または、存在する場合は日本国内の代理人)に商標登録証が交付されます。なお、現行の運用では、商標登録証はオンライン発送の対象外となっています。
<特許庁HPより> 発送手続きのデジタル化について ※FQAのQ.11参照
※近年、運用の改正が頻発しているため、常に最新の情報をチェックする必要があります。