画像意匠に関する保護の拡充と変遷

デジタル技術の進展により、日常的に利用する家電や情報機器において、操作ボタン等の物理的な部品が電子的な画面に置き換えられ、その画面上に表示された画面デザイン(アイコン等)を利用して操作することが常態化しているなか、画面デザインによる使いやすさはもちろんのこと、その見た目やデザイン性の高さなども、需要者にとって商品選択の一要素になっていると考えられます。

ところで、我が国の意匠法においては、かつて、物品のみが保護の対象とされていたところ、令和元年の意匠法改正により、新たに画像が意匠として認められ、物品から離れた画像自体も保護の対象に加えられました。なお、当該意匠法の改正前に行われた平成18年の意匠法の改正では、物品の操作の用に供される画像(操作画像)や当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示される画像(表示画像)が、「物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に含まれ、「物品の部分」としての画像を含む意匠として保護されるようになった経緯があります。

整理しますと、現行法(令和7年6月1日施行)の意匠法2条1項では、「この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。中略。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。」と規定されており、現行法の下では、意匠登録出願人が画像の意匠について意匠登録を受ける方法は、大きく分けて以下の2通りあるということになります。※いずれも「操作画像」又は「表示画像」に該当するものであることが必要です。

(1)画像意匠(物品から離れた画像自体)として保護を受ける方法

(2)物品又は建築物の部分としての画像を含む意匠として保護を受ける方法

<特許庁資料より> 『意匠審査基準』第Ⅳ部 第1章 画像を含む意匠

なお、特許庁における産業構造審議会知的財産分科会の第21回意匠制度小委員会(令和7年12月15日)では議論がさらに進展しており、上述の「操作画像」又は「表示画像」に加えて、「仮想物品等の形状等を表した画像」も保護対象とする方向で、目下、検討が行われています。

<特許庁資料より> 意匠制度に関する検討課題について