意匠登録出願の分割と必要な補正の取扱い

意匠登録出願は、意匠法第7条による一意匠一出願の原則に基づいて、意匠ごとに出願しなければなりません。しかしながら、出願の際に誤って二以上の意匠を一出願に包含させたまま出願した場合、その救済の道として、意匠登録出願の一部を新たな意匠登録出願に分割して出願することができる旨が規定されています(同法第10条の2第1項)。そして、この新たな意匠登録出願が適法なものであれば、当該意匠登録出願は、もとの意匠登録出願の時に出願されたとする効果(遡及効)が得られることになります(同2項)。

ここで、意匠登録出願の分割を行う場合、もとの意匠登録出願についての必要な補正に関する取扱いについて、「意匠審査便覧」には以下のように規定されています。

1.意匠登録出願を分割する場合のもとの出願の補正は、もとの出願に包含されている二以上の意匠のうち分割に係る意匠を削除するものである。 なお、当該補正にあたって分割に係る意匠を削除してもなおもとの意匠登録出願に二以上の意匠が残存する場合は、そのうちの不用なものを除外して一意匠にすることができる。  

2.意匠登録出願を分割する場合の必要なもとの出願の補正は、分割と同時にする。ただし、この補正を分割と同時にしなかった場合は、事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限り、行うことができる(※)。

3.二以上の意匠を包含し、意匠法第7条に規定する要件を満たさない意匠登録出願を一意匠にする補正はこれを認めるものとする。

<特許庁HPより> 「意匠審査便覧」17.03 意匠登録出願の分割をする場合、もとの意匠登録出願についての必要な補正の取扱い

※分割による新たな意匠登録出願と同時にもとの意匠登録出願の補正がなされない場合、 もとの意匠登録出願は多意匠を包含する出願として拒絶されますが(意7条、意17条3号)、この場合でも、事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限り補正を行うことができ、当該拒絶理由を解消することができます。

<特許庁HPより> 「意匠審査便覧」17.02 分割による新たな意匠登録出願と同時にもとの意匠登録出願の補正がなされない場合のもとの意匠登録出願の取扱い

なお、意匠法第7条に規定する要件を満たす出願を分割することは原則として認められず、仮に、意匠ごとに出願された意匠登録出願をその物品、建築物又は画像の構成部品ごとに分割した場合には、分割のあった時になされた意匠登録出願として取り扱われ、遡及効を得ることはできません。

<特許庁HPより> 「意匠審査便覧」17.16 経済産業省令で定めるところにより意匠ごとに出願された意匠登録出願を、物品、建築物又は画像の構成部品ごとに分割した場合のその出願の取扱い