映画盗撮防止法とは?

人気アニメの『鬼滅の刃』無限城編の劇場限定予告映像がネット上に流出しているとして、公式Xが盗撮被害について注意喚起を行ったとのニュースがありました。

ところで、著作権者の許諾を得ずに映画の録画や録音を行うことは、原則、著作権侵害となります。ただし、著作権法には、個人的または家庭内などの限られた範囲で使用するために複製を行う、いわゆる私的使用による複製については、著作権者の許諾を得ることなく行うことができるという例外規定が設けられています(法30条1項)。そのため、映画館で映画の盗撮が行われた場合でも、私的使用目的での複製であることを行為者が主張したときは、同法で直ちに著作権侵害と認めることが困難であるとして、効果的な対応ができないという問題がありました。

そこで、海賊版の流通防止を効果的に行うため、平成19年5月30日に「映画の盗撮の防止に関する法律(映画盗撮防止法)」が成立し、同年8月30日から施行されました。これにより、映画の盗撮については、たとえ私的使用の目的でされるものであっても違法とされ(同法第4条第1項)、映画の盗撮が行われた場合には、著作権法に基づき、差止請求、損害賠償請求のほか、著作権侵害の罪による処罰の対象となり得ることになりました。

なお、映画盗撮防止法では、私的使用目的の複製の規定の特例について、過度の規制とならないよう、映画の盗撮の防止を図るための合理的な期間を限定しています。すなわち、日本で上映される映画の劇場公開期間がおおむね8ヶ月以内となっていることから、日本国内の映画館等で、有料で上映が行われた日から8月と規定しています(同法第4条第2項)。

<文化庁資料より引用>

映画の盗撮の防止に関する法律について

https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/eiga_tosatsu.html

映画の盗撮の防止に関する法律(条文)

https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/pdf/eiga_tousatsu_joubun.pdf