ハーグ制度と出願動向

1925年にハーグ協定が制定されてから今年でちょうど100年を迎えました。11月6日にオランダのハーグで、世界知的所有権機関(WIPO)、ベネルクス知的財産庁(BOIP)及びオランダ経済省主催の100周年記念のシンポジウムが開催され、ハーグ制度のメリットや今後の展望などについて議論されたとのことです。

ところで、ハーグ制度とは、パリ条約第19条の特別取極の1つであり(現行制度は1999年のジュネーブ改正協定に基づき運用)、1つの意匠出願手続を国際事務局へ行い国際登録することで、複数の締約国に出願した場合と同等の効果を得られる制度です。また、一つの出願に最大100意匠まで含むことができるというメリットもあります(ただし、すべての意匠がロカルノ分類の同一クラスに属する必要あり)。現在、ハーグ協定に加盟しているのは約80の国と地域で、日本も2015年に加盟しています。

ここで、WIPOの統計(2023年の結果)によると、加盟国中、ハーグ制度に基づく国際登録出願の件数ランキングの上位1位から3位までは以下のようになっています。

出願件数:1位 中国 1,813件  2位 ドイツ 904件  3位 韓国 825件

一方、ハーグ制度に基づく国際登録出願に含まれる意匠の件数ランキングの上位1位から3位までは以下の通りです。

意匠件数:1位 ドイツ 4,518件  2位 中国 3,758件  3位 アメリカ 2,674件

因みに、日本に関しては、出願件数が466件で8位、意匠件数が1,001件で同じく8位となっています。

<参考資料> Hague Yearly Review 2024

なお、特許庁が毎年発行しているステータスレポートには、2024年における国際意匠登録出願の意匠登録件数上位10社(国内企業及び国外企業)が紹介されています。詳細は以下の参考資料をご参照下さい。

<参考資料> 特許庁ステータスレポート2025 第1部 数字で見る知財動向 第1章 我が国の知財動向