組物の意匠と構成物品等の例

意匠法上、意匠登録出願は意匠ごとにしなければならない旨が定められており、いわゆる一意匠一出願が原則となっています(同法7条)。しかしながら、意匠の創作においては、システムデザインやセットもののデザインなど、二以上の物品等について統一感を持たせた創作が行われることもあります。そのため、同法では組物の意匠についても、一定の要件の下に意匠登録を認めています(同法8条)。具体的には、以下の要件を具備する必要があります。

(1)経済産業省令で定める組物の意匠に該当すること
(2)同時に使用される二以上の物品、建築物、画像であること
(3)組物全体として統一があること

<特許庁資料より引用> 『意匠審査基準』第Ⅳ部 第3章 組物の意匠

ここで、(1)の経済産業省令で定める組物の意匠とは、意匠法施行規則の別表第二に示された計43のパターンからなる組物であり、以下のサイトに組物の意匠と構成物品等の例が掲載されています。

<特許庁資料より引用> 組物の意匠の構成物品等の例

なお、令和元年の法改正に伴い、意匠の保護対象に建築物の意匠や画像の意匠が追加されたことに伴い、二以上の建築物や画像についても、上記の要件を具備することによって、意匠登録が認められるようになりました。例えば、複数の建築物を組み合わせた建築物の場合や建築物と物品又は画像(物品と画像のいずれも含む場合を含む)を組み合わせた組物の意匠の場合は、「意匠に係る物品」の欄に「一組の建築物」と記載します。また、物品と画像を組み合わせた組物の意匠の場合には、「意匠に係る物品」の欄に、意匠法施行規則別表のうち物品に応じた組物を記載します。さらに、複数の画像を組み合わせた組物の意匠については、「意匠に係る物品」の欄に「一組の画像セット」と記載します。

<特許庁資料より引用> 令和元年改正意匠法の運用に関するQ&A 組物の意匠について

因みに、意匠法では、物品等の部分についても意匠登録の対象となる旨を規定しており(同法2条)、組物の意匠も例外ではないことから、二以上の物品等の部分について意匠登録を受けようとする場合にも、組物の意匠として意匠登録を受けることができます。

※意匠登録の対象となる組物の意匠は、上記の43の組物の意匠に限られ、それ以外のものについては意匠登録を受けることができませんが、それぞれの組物の意匠に含めることができる構成物品等については、上記の「組物の意匠の構成物品等の例」に限られず、組物の意匠としての登録要件を満たしている場合には、任意に含めることができるとされています。

ただし、組物の意匠として意匠登録を受けた場合、権利行使の際にはあくまで組物の意匠全体として権利行使できるのみであって、組物を構成する個々の物品ごとに権利行使をすることができない点に留意する必要があります。