若い人達が希望に燃えて新たな企業を立ち上げる姿は見ていて気持ちの良いものです。弁理士という仕事柄、知財の活用の面から応援したくなります。若い人達の成功を想像しながら、良い気持ちで仕事ができるわけであります。現在もそういう案件を楽しんでいます。 チャットGPTにベンチャー企業であるための条件を訊いてみました。
1.新しいビジネスモデルや技術を活用
2.成長志向が強い
3.創業間もない段階の企業
4.資金調達を積極的に行う
5.リスクが高いがリターンも大きい
6.中小企業との違い、安定した経営の指向ではなく、成長とイノベーションを重視
何れの項目も企業にとって重要な要素ですが、1.の新しいビジネスモデルや技術の活用、これは最も重要です。これがなければベンチャーとは言えないということです。ベンチャーを成功に導くには、まず、「新しいビジネスモデルや技術」、これを創作することが重要で、ここを上手く乗り切ればほぼ成功?と言えるのではないでしょうか。そして、有用な「新しいビジネスモデルや技術」が創作できたとき、これを放置していてはいけません。権利化する、例えば特許権を取得することが重要です。すなわち、独占的立場を確保すること、これがバックボーンになるわけです。この背骨が有ってこそ闘えるわけで、この背骨が強ければ強いほど闘いは楽になるはずです。ただ、この知的財産権の活用の部分は、知財部などの組織が確立されていないベンチャー企業の弱点かもしれません。しかし、そのために弁理士が存在していますので心配要りません。この権利化の段階が弁理士の腕の見せ所なのです。
特許出願をした後は、技術内容を一般にオープンにして宣伝することも可能です。特許制度は先願主義を採用しており、真似をした者が後から出願しても権利は取れません。したがって、出願後は、安心して宣伝活動ができます。その後、審査を受けて特許権を取得できた後は、「特許を取得した」ことを宣伝に使う事も可能となり、他者がそのビジネスモデルや技術を真似した場合、権利行使(差止請求、損害賠償請求)を行って防御できます。特許権者の独壇場にできるという訳です。既に成功したものと同然です。
また、アイデアが完成していない段階でも我々弁理士に相談することが有益だと思います。アイデアの完成までの過程で、無駄な検討時間やポイントのズレを回避することができるからです。では、世に求められている「新しいビジネスモデルや技術」とは?それをどうやったら創作できるの?残念ですが、そこまで教えてくれる人は居ません。甘えてはいけません、そこが真の競争です。何か方向が決まれば、その方向を徐々に絞って、日夜研究し、他者がやっている事も調べ、成功を信じて考え続けることではないでしょうか。
既に成功を収めた大企業の様に現状の技術を改良、進化させていくという明確な目標設定ができる状況とは異なり、ベンチャーとしては先ずは雲を掴む様な所からの出発ですから「新しいビジネスモデルや技術」の具体化は簡単ではないでしょう。とは言え、結局、良い発明を思いつくのに一番重要なことは何か、経験的に言えば、それは1%のひらめき(インスピレーション)です。99%の努力をしてもこのひらめきがなければ、良い発明は生まれません。これが発明王エジソンの言葉の真の意味です。そのひらめきが持って生まれた才能に依るのか、誰にでも平等に天から降ってくるのか、それは努力をしてみなければ分からないことでしょう。ベンチャーで成功を目指す若者達、「新しいビジネスモデルや技術」の創作をする努力から始めましょう。因みに、当事務所でも無駄なエネルギーを少しでも減らすための相談は受け付けます。