近年、生成AI技術の発展や仮想空間における取引行為の拡大に伴い、産業財産権に関しても、その保護のあり方や法制度の見直しなどについて、しばしば議論がなされています。
ところで、現行の産業財産権法四法(特許・実用新案・意匠・商標)は、昭和34年(1959年)4月13日に公布された法律がベースとなっており、現行法の基本的な枠組みが形成されました。その後、度重なる改正を経て現在に至っていますが、我が国における最初の法規は、それぞれ明治時代にまでさかのぼります。
特許に関しては、明治18年(1885年)4月18日に、初代特許庁長官を務めた高橋是清らが「専売特許条例」を公布し、日本の特許制度が始まったとされており、今年はその140年目にあたります。
実用新案に関しては、明治38年(1905年)に「実用新案法」としてはじめて制定され、また、意匠に関しては、明治21年(1888年)に「意匠条例」として制定されました。さらに、商標に関しては、特許より1年早い明治17年(1884年)に「商標条例」として制定されました。
なお、我が国における特許第一号は、明治18年(1885年)7月1日に堀田瑞松(当時の東京府)により出願された「堀田式錆止塗料とその塗法」であり、同年8月14日に特許が付与されたとのことで、現在と比べて出願から特許になるまでの期間が著しく短かったことがわかります。
また、意匠の第一号は明治22年(1889年)に須永由兵衛(栃木県足利市)によって出願された織物縞の意匠で、商標の第一号は明治18年(1885年)に平井祐喜(京都府)によって出願された膏薬丸薬の商標とのことです。
<特許庁HPより引用>
産業財産権制度の歴史
https://www.jpo.go.jp/introduction/rekishi/seido-rekishi.html
因みに、特許制度をはじめとする産業財産権制度の普及を目的として、毎年4月18日を「発明の日」と位置づけ、特許庁によって、功績のあった個人や法人等が表彰されることになっています。
<特許庁HPより引用>
4月18日は「発明の日」です