弁理士の山口です。
特許がベンチャー企業のバックボーン(背骨)であり、この背骨があってこそ戦える話は、以下の所長エッセイ(2025.3.31付)に記載されたとおりです。
しかし、特許はベンチャー企業のバックボーン(背骨)であるだけでなく、資金調達のためにも必須です。
ベンチャー企業がいかに素晴らしい技術を有していても、ベンチャー企業の中で最初から資金豊富な企業は少なく、全て自己資金でビジネスを進めていくことは困難です。ビジネスがスタートし、順調に成長するまでには、金融機関からの融資や投資家からの出資など、他者からの資金調達が必要になる場合がほとんどです。
この他者からの資金調達は、特許が出願されていなければとたんに難しくなります。競合他者の参入に対する特許による障壁が築かれていなければ、金融機関や投資家はビジネスの成長を疑い、融資・出資を控えるからです。
特に、資金調達における知財デューデリジェンスの際にはグローバルな特許出願の有無が注目されます。日本だけで完結するビジネスは少なくなってきているからです。
とはいえ、起業直後のスタートアップは、特許のことだけでなく、様々な問題に迅速に取り組む必要があり、非常に忙しい状況にあります。これは、LinkedInの創業者リード・ホフマンの名言「スタートアップとは、崖の上からから飛び降りながら、飛行機をつくるようなものだ」に代表されます。
創業初期の多くの業務に忙殺されているなかで、知財についても、例えば、「資金調達に先立ち、どのような特許出願を行えば良いのか?特許出願のタイミングは?一つのパートナーと共同出願を行ってもよいのか?」などの多くの判断が求められます。これらの判断の誤りは、今後のビジネスにも影響します。
知財についての上記判断について、あるいはその他の知財関連の問題につきましても、お困りのことがありましたら、専門家である私達弁理士にご相談ください。小さなことでも構いません。力になりたいと思います。