2026年2月6日から2月22日までの期間、冬季オリンピックがイタリア北部の都市ミラノとコルティナ・ダンペッツォで開催されます。すでにスポーツ関連のニュースでも、冬季オリンピックの競技や代表選手などの話題が報じられています。
ところで、我が国の商標法上、「公益に関する団体であって営利を目的としないもの」や「公益に関する事業であって営利を目的としないもの」を表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標は、登録を受けることができない旨が規定されています(商標法4条1項6号)。具体例として、以下の標章が挙げられます。
・「公益に関する団体であって営利を目的としないもの」を表示する標章の例
国際オリンピック委員会の略称である「IOC」 や公益財団法人日本オリンピック委員会の略称である「JOC」
・「公益に関する事業であって営利を目的としないもの」を表示する標章の例
「オリンピック」及び「OLYMPIC」、その俗称としての「五輪」の文字、そのシンボルマークとしての五輪を表した図形(オリンピックシンボル)
<特許庁資料より引用> 『商標審査基準』五、第4条第1項第6号
なお、「公益に関する団体であって営利を目的としないもの」や「公益に関する事業であって営利を目的としないもの」を行っている者が、自ら出願して登録を受けることは可能です(商標法4条2項)。実際、「OLYMPIC」の文字商標や五輪の図形商標などについては、スイスにある国際オリンピック委員会(IOC:コミテ アンテルナショナル オリンピック)の名義で、我が国でも複数の商標が登録されています。最も古いもので、現在も権利が存続している商標は登録第99160号に係る以下の商標で、大正7(1918)年12月27日に登録された商標になります。
登録商標:

区分:第28類
指定商品:野球用具及びソフトボール用具,球技用具(ヘルメットを除く。),陸上競技用具,テニス用具及びバドミントン用具,卓球用具,ホッケー用具,ゴルフ用具,ボウリング用具,スキー用具(ヘルメットを除く。),スケート用具(スケート靴を除く。),ボクシング用具,弓道用具,フェンシング用具,シーソー,すべり台,ぶらんこ,ホイッスル,木馬,ライン引き
<特許情報プラットフォームより引用> 商標登録第99160号
昨今、「〇〇オリンピック」と称して、様々な分野での競技やコンテストが開催されていますが、個人や企業、あるいは、一般社団法人や一般財団法人が「オリンピック」の文字からなる商標や「オリンピック」の文字を含んだ商標を出願した場合、上述の商標法の規定に基づき拒絶されることになります。かつ、国際オリンピック委員会や公益財団法人日本オリンピック委員会の先行登録商標と同一・類似の商品・役務を指定した場合には、当該先行登録商標を引例とした拒絶理由(4条1項11号)も併せて通知される可能性があります。
※「公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章」に該当するか否かは、当該団体の設立目的、組織及び公益的な事業の実施状況等を勘案して判断され、国内もしくは海外の団体であるか、または法人格を有する団体であるか否かは問わないとされています。同様に、「公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章」に該当するか否かは、当該事業の目的及びその内容並びに事業主体となっている団体の設立目的及び組織等を勘案して判断され、当該事業が国内または海外のいずれにおいて行われているかは不問とされています。
登録事例:公益財団法人数学オリンピック財団が保有する登録商標「日本数学オリンピック」(登録第4926121号)や「日本ジュニア数学オリンピック」(登録第4926122号)など。