判定とは、特許庁が中立かつ公平な立場から、特許発明や登録実用新案の技術的範囲、登録意匠やこれに類似する意匠の範囲、商標権の効力の範囲について見解を示すものです。
なお、特許法では、法第71条第1項に「特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる」と規定され、実用新案法では、法第26条で準用されています。また、意匠法第25条、商標法第28条にも同様の規定が設けられています。
判定制度の利用場面としては、特許のケースで言えば、他人が実施する製品等が自己の特許権を侵害する可能性があるかどうか知りたい場合、自己の計画中または実施中の製品等が他人の特許権を侵害する可能性があるかどうか知りたい場合、自己または他人の特許が標準必須特許であるか否かを知りたい場合などが挙げられます。
特許庁の統計資料によれば、過去数年間(例えば2020年から2024年の5年間)の判定請求の件数は以下の通りとなっており、他の審判制度の利用件数と比して圧倒的に少数です。
特許 2020年:27件 2021年:24件 2022年:30件 2023年:39件 2024年:29件
実案 2020年~2024年:いずれも0件
意匠 2020年:6件 2021年:7件 2022年:6件 2023年:10件 2024年:11件
商標 2020年:9件 2021年:8件 2022年:4件 2023年:15件 2024年:8件
<特許庁資料より引用> 特許行政年次報告書2025年版 第2部 詳細な統計情報
判定のメリットとしては、審判官合議体による審理に基づくものであること、当事者対立構造を取る内容については相手方の答弁書の内容を検討できること、侵害事件、税関手続、刑事告訴などの根拠資料として使用できることが挙げられます。他方、デメリットとしては、あくまで鑑定的なものであって当事者に法的拘束力を及ぼすものではないこと、判定の結果に対して不服を申し立てることができないことなどが挙げられます。特に相手方が存在する案件については、無用な係争を防ぐため、特許事務所における私的鑑定に留めておく方が無難な場合もあります。