仮想物品等の形状等を表した画像の意匠の保護

仮想空間におけるデザイン侵害を防ぐため、政府が意匠法の改正をめざすとのニュースがありました。2026年の通常国会への法案提出を見込んでおり、「知的財産推進計画2025」に法整備の方向性が明記されるとのことです。

ところで、特許庁では昨年来、仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方について、産業構造審議会知的財産分科会の意匠制度小委員会により、数次にわたる議論が重ねられており、仮想空間で用いられる物品等の形状を新たな保護対象とすべく、意匠制度の見直しについて検討が行われています。

ここで、制度的措置の方向性としては、仮想物品等の形状等を直接の保護対象とするのではなく、仮想物品等の形状等を表した「画像」を保護対象とすることで、実質的に仮想物品等の形状等の保護を図るとしています。

現行の意匠制度上、保護対象となる画像意匠は、「機器の操作の用に供される画像」及び「機器がその機能を発揮した結果として表示される画像」とされているところ、ここに、「仮想物品等の形状等を表した画像」が加えられることになります。なお、「仮想物品等の形状等を表した画像」を保護対象とする上で必要となる意匠の認定(※)については、仮想物品等の用途及び機能、形状等の認定をもって、「仮想物品等の形状等を表した画像」の用途及び機能、形状等の認定とするとのことです。

<特許庁資料より引用>

第19回意匠制度小委員会配布資料 意匠制度に関する検討課題について

https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/isho_shoi/document/19-shiryou/03_shiryo-1.pdf

今後、同委員会では、保護の対象とすべき「仮想物品等の形状等を表した画像」に関する類否判断等について、引き続き議論を行っていくとのことです。

※審査官が、意匠の実体審査において、出願された意匠が新規性・創作非容易性等の登録要件を満たしているか否かを判断する前提として、意匠の内容を把握し理解すること。