AI時代の特許制度ーEPO長官発言をどう読むか

欧州特許庁(EPO)のアントニオ・カンピノス長官が、「AI関連発明の増加が特許制度に新たな課題をもたらしている」と述べたことが、日本の主要メディアでも報じられました。

しかし、この報道では、「AI関連発明の増加」と「AIが自律的に発明を行うこと」は全く別の問題であるという点が十分に整理されていません。

前者は、発明の中にAI技術が利用されている場合や、AI技術そのものに関する発明の増加を意味します。一方、後者は、AIが人間の関与なしに発明を生み出した場合に、その発明を特許制度上どのように取り扱うべきかという問題です。

私は、カンピノス長官が主に指摘していたのは、「発明者は人間でなければならない」という特許制度の根幹に関わる後者の問題であったと考えています。

この問題について法制度の整備を検討しない国は、今後、国際的な競争の中で後れを取る可能性があります。私自身も制度改正に関する考えを持っていますが、現時点ではその内容については控えたいと思います。